8月号

「月刊小玉久仁子」8月号

「大きな絵を描く」(大きな絵を描く)

・はじまり
・制作レポート
・完成
・展示会
・クロージングパーティー

・はじまり
7月中旬 都内某所

月刊小玉久仁子創刊号であり、7月号は、大盛況のうちに幕をとじた。

その興奮冷めやらぬうちに、小玉久仁子は8月号の準備に取りかかっていた。
ホチキス米山と綿密な打合せを重ねる小玉久仁子

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米山「8月はなにをやるんですか?」
小玉「この国の未来を決めるといっていい選挙が終わって、私もいろいろ考える事が増えて…。」
米山「そうですね…」
小玉「猛烈な暑さが続いたと思ったら、ゲリラ豪雨。とかいって、ダムには水がなくて渇水でしょ、夏がおかしくなってる気もするし…。」
米山「そうですね…。」
小玉「海外に目をむけても、相変わらず争いはおさまらないし…」
米山「ですよね…。」
小玉「だから、あたし、絵を描こうと思うの。」
米山「絵ですか…。」
小玉「えぇ、絵を!」
米山「先ほどおっしゃってた、社会情勢などを題材にですか?」
小玉「いいえ、そういうのはまったくないです。とりあえず、絵を、絵を描きます。」
米山「そうですか…。」
小玉「そうだ、大きな絵を 描くわ。」
米山「大きな…ですか…それは、なんでですか?」
小玉「描きたいから!」
米山「どれくらい大きい絵なんですか?」
小玉「私、大きな絵を描く!」
米山「……わかりました。がんばってください。」

月刊小玉久仁子8月号「小玉久仁子、大きな絵を描く」
はじまります。